まち巡りマップ文化財・歴史さんぽ アプリを入手

コラム 基礎知識

登録有形文化財とは|国宝・重要文化財との違いと調べ方

建物の文化財には、国宝・重要文化財・登録有形文化財の3つがあります。それぞれの関係と、指定と登録で何が違うのかを、文化財保護法と文化庁の説明をもとにまとめました。自分の町の文化財を調べる方法も紹介します。

2026.10.12 まち巡りマップ

古い建物の前で「登録有形文化財」と書かれた案内を見かけることがあります。国宝や重要文化財とは、どう違うのでしょうか。

この記事では、建物(建造物)の文化財にある3つの区分の関係を、文化財保護法と文化庁の説明をもとにまとめます。後半では、自分の町にどんな文化財があるかを調べる方法も紹介します。

3つの区分の関係

国が文化財として扱う建物には、大きく分けて次の3つがあります。

区分位置づけ
国宝重要文化財のうち、特に価値が高いもの
重要文化財国が指定した、重要な有形文化財
登録有形文化財国の文化財登録原簿に登録された有形文化財

国宝と重要文化財は「指定」、登録有形文化財は「登録」という、別の制度に属しています。

国宝は、重要文化財とは別に選ばれるものではありません。文化財保護法の第27条は、重要文化財のうち「世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの」を国宝に指定できると定めています。つまり、国宝はすべて重要文化財でもあります。

このサイトに収録している建造物は、国宝が237件、重要文化財(国宝を除く)が2,359件、登録有形文化財が14,671件です。数のうえでは、登録有形文化財が全体の8割以上を占めています。

登録有形文化財はいつ、なぜできたか

登録の制度は、1996年(平成8年)10月1日に施行された文化財保護法の改正で始まりました。

文化庁は制度の目的を、国土開発や都市計画の進展、生活様式の変化によって、社会的な評価を受ける前に消えてしまいかねない近代などの建造物を、幅広く後世に引き継ぐためと説明しています。重要なものを厳選して守る指定の制度だけでは、数の多い近代の建物を守りきれなかった、ということです。

登録の対象になる建物

登録の対象になるのは、原則として建設後50年を過ぎた建造物で、次のいずれかに当てはまるものです。

  1. 国土の歴史的景観に寄与しているもの
  2. 造形の規範となっているもの
  3. 再現することが容易でないもの

寺社や城だけでなく、住宅、店舗、工場、橋、トンネルなども登録されています。

指定と登録の違い

2つの制度の違いは、守り方の強さにあります。文化庁は、指定を「重要なものを厳選し、許可制等の強い規制と手厚い保護を行うもの」、登録を「届出制と指導・助言等を基本とする緩やかな保護措置」と説明しています。登録は、指定を補う制度という位置づけです。

重要文化財(指定)登録有形文化財(登録)
選び方重要なものを厳選する基準に当てはまるものを幅広く登録する
建物を変えるとき文化庁長官の許可が要る30日前までに届け出る
守り方強い規制と手厚い保護届出と指導・助言による緩やかな保護

登録は、建物を使いながら残していくことを前提にした、緩やかな制度だといえます。

自分の町の文化財を調べる方法

国が指定・登録した文化財は、文化庁の「国指定文化財等データベース」で調べられます。名前で探すほか、文化財の分類から一覧を見る、都道府県や時代などの条件を組み合わせて探す、といった使い方ができます。スマートフォンでは、現在地から近い文化財を探す機能もあります。

このサイトでは、同じデータベースをもとに、市区町村ごとの建造物の一覧と地図をまとめています。

詳しい調べ方は、近くの文化財建造物の調べ方にまとめました。

ほかのコラムすべてのコラム